他行からの融資で借り換えするのは、しっぺ返しがある!?

企業の運営をしている方や不動産を買った方など、現在銀行から融資を受けている場合、他の銀行から現在のものよりも低金利で借り換えを提案されたら、あなたはどうしますか? 現在融資を受けている銀行は長年、積極的にあなたに融資をしてくれたA銀行とします。そして新規で借り換えを営業してきた銀行をB銀行とします。

もちろん、金利は0.1%でも低いのは魅力的です。融資を受けている額と返済期間が長ければ長いほど、金利の高低でその額は変わってきますね。では、A銀行での融資を、金利の低いB銀行の融資で借り換えしたとします。

そうなると、どのようなことになるでしょうか。今まで長年の付き合いがあったA銀行は当然、良い思いはしませんね。他の銀行に融資の肩代わり、つまり借り換えをされるというのは、担当者やその支店の業績に関わるからです。A銀行にしてみれば、今までのあなたとの付き合いは何だったのかと思うに違いありません。

こうなれば、A銀行との信頼関係は崩れます。ということは、これからA銀行から融資を受けられなくなる可能性は高いでしょう。今後、融資の話をお願いしても、A銀行としてはまた借り換えをされては堪りませんから、取り次いでもらえなくなるのです。

A銀行から融資を受けられなくなっても、「新規のB銀行があるから」と安心してはいけません。今回は低金利での借り換えを提案してもらえましたが、今後も融資してくれるかどうかは別問題です。

特に、営業で担当者が「低金利だからお得」と言って積極的に借り換えを勧めてくる場合は注意が必要です。融資では大きなお金が動きますから、その担当者はあなたに借り換えをさせて業績を上げたい一心である可能性が高いのです。B銀行が持ちかけてくる借り換え案は、「お客様のため」ではなく「業績のため」かもしれないことを理解しておきましょう。

以上から、金利が少々高くても返済を続けていける余裕があり、A銀行と良い関係が続いているならば、借り換えは行わずに現行のままでいくのが無難でしょう。今のままの金利が厳しいと感じるなら、他行からどのくらいの金利で借り換えの話を持ちかけられたかをA銀行の担当者に伝えるのも一つの手です。

なお、借り換えはしないからと新規に営業に来たB銀行を冷たくするのではなく、できるだけ話を聞くようにしましょう。付き合いは保っておいた方が、今後の取引先の銀行が増えます。次回の融資をB銀行にお願いするなど、新規の銀行との実績を作っておくことができます。

逆に、A銀行と何かトラブルを抱えているなら、B銀行への借り換えを考えるのは良い機会です。この場合は、A銀行との付き合いが完全に無くなると覚悟が必要です。その分、B銀行が今後も融資を続けてくれるのかを知ることが重要になってきます。

このように、金利だけを見て他行からの融資で借り換えをすることは、とてもリスキーです。金利の高低も大事ですが、現在付き合いのある銀行との関係はどうなのか、新しい銀行から今後も支援がもらえそうなのかを見てから、行動に移すようにしましょう。

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