銀行が融資したくなるバランスシートとは?財務状況を確認してみよう

バブル経済が崩れてからは金融システムに不安が広がり、銀行は簡単には会社に融資を行わなくなりました。それまではあまり会社の経営状態を見ずに融資を行っていたのですが、バブル崩壊後は融資先を慎重に選ぶようになってきたんですね。

それでは銀行がどうやって融資してもよい会社を選ぶのかというと、会社の経営状態を見て判断します。それがバランスシート、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの書類で表され、銀行に融資をしてもらう際に会社側が提出しなければなりません。その中でも銀行が特に重要的に見るのがバランスシートです。

銀行に融資してもらいやすくなるバランスシートはあるのですが、バランスシートの見方さえ分からないという方も少なくないと思います。数字と専門用語ばかりで一見難しそうですが、シンプルに考えれば一気に取っ付き易くなります。まずは、バランスシートの見方から見ていきましょう。

バランスシートは貸借対照表とも言われる通り、表の左(資産)と表の右(負債+株主資本)で大別できます。左右それぞれの合計が一致し、左側はどうやって資金を調達してきたかを、右側は調達してきた資金をどのように運用しているかを表しています。一つ一つの項目を見ていくとややこしいですが、左右で見ると収支のバランスが見やすくなります。

左右の中の一つ一つを見ていきましょう。まず、左側の資産の部は流動資産と固定資産の二つからなります。流動資産はすぐに現金化できる資産、固定資産は現金化するのに時間がかかる資産のことです。

次に右側の負債(+株主資本)の部は、流動負債、固定負債、株式資本の三つからなります。流動負債はすぐに返さなければならない借金、固定負債はすぐには返さなくてよい借金、株主資本は自分で稼いだ利益や出資されたお金のことです。

さて、本題の「銀行に融資してもらいやすくなる」バランスシートですが、それは「前年と比べて財政状況が改善しているかどうか」と同じことでもあります。自分の会社の財政状況が良くなっているかは、かなりシンプルに言うと、たった5つのポイントで分かります。

合計額から相対的に見て、前年より(1)流動資産の割合が増加している(2)固定資産の割合が減少している(3)流動負債の割合が減少している(4)固定負債の割合が減少している(5)株式資本の割合が増加している。これが前年と比べて財政状況が改善している状態です。もちろんこれだけではなくもっと詳しく見ていかなければいけませんが、パッと見ではこの5つを押さえておけば、現在の会社の状態がどうなっているのかが一目瞭然でしょう。

上記の5つのポイントのように改善するのが一番なのですが、現実的にはそう上手くいきません。ですが、5つのポイントは目指すべきものとして念頭においておくと良いでしょう。実際に自分の会社のバランスシートを用意し、それぞれの項目の値をパーセンテージで表してみてください。さらに、ここ三年分ほどのバランスシートを並べてみてください。会社の財政状況がどのように動いているのかが、実にシンプルに分かることでしょう。

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